2017年9月5日火曜日

川喜田半泥子『随筆 泥仏堂日録』1


川喜田半泥子『随筆 泥仏堂日録』(講談社文芸文庫 2007年)

 半泥子――大好きな陶芸作家の一人です。いや、陶芸作家などと言ったら、半泥子に怒られるでしょう。本書「その三」のタイトルは「シロウト陶人」ですが、これこそ半泥子の自負するところだったでしょう。

「しろうと本窯を焼くべからず」と言った「おくろうと」がいたようです。おそらく北大路魯山人じゃないかなと思いますが……。この「おくろうと」を、例の半泥子調で茶化しています。土もみ、轆轤ひき、窯たき、さし木など、全部自分でやっていた半泥子は、これらをみんな他人にやらせてイケシャーシャーとしている「おくろうと」なんか、何ぼのもんじゃと言うわけです。

半泥子はみずからを陶芸のシロウトと規定し、窯の神さまに「作れ作れシロウト、焚け焚けシロウト、ユメユメウタガウコトナカレ」と言わせています。半泥子の陶芸は、真のよい意味で趣味的であり、口に糊するためのものじゃありませんでした。それを可能にしたのは、半泥子の生まれと育ちと社会的地位にありました。

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