2017年6月22日木曜日

静嘉堂文庫美術館「珠玉の香合・香炉展」5


香合は小さいという点に最大の特徴があります。もちろん、可愛らしさや馴染みやすさも香合の素晴らしさですが、それも小さいという特徴に収斂していく性格のように思われます。それは日本美術のとても重要な特質の一つです。『枕草子』にある清少納言のあまりにも有名な一句、「何もかにも小さきものはみな美しき」がすぐに思い起こされることでしょう。

イー・オリョンの『縮み志向の日本文化』に香合が登場していたかどうか、ちょっと記憶が定かじゃないのですが、もし出てきてないようでしたら、教えてあげたいですね。そして愉快なのは、その日本で愛された香合のうちに、たくさんの外国出来が含まれているという事実です。

あるいは、チェンバレンの「日本の美術は小さいものにおいて偉大だが、大きなものにおいて矮小である」という、ちょっと皮肉を込めたコメントでしょうか。だれでも知っている「山椒は小粒でもピリリと辛い」という、小さいものに対するオマージュも悪くありませんね。ともかくも、香合は日本美術における山椒のようなものです!?

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