そのキャプションは伝狩野孝信筆としました。土居次義先生がこの裏面にあった「琴棋書画仙人図」(米国・シアトル美術館蔵)とともに、孝信筆と推定されていたからです。もっとも『日本美術全集15<永徳と障壁画>』出版の直前に、小嵜善通さんが狩野永徳の弟・宗秀元秀そうしゅうもとひでの門人であった狩野宗眼重信筆とする見解を発表されていました。しかしまだ定説にはなっていなかったので、土居先生の孝信説にしたがって「伝狩野孝信筆」としたんです。その後も僕は、土居先生が孝信というんだから孝信でいいんじゃないの――といったいつもの調子でずっと過ごしてきました。
ところが今回世紀の大発見が起こりました。起こしたのは畏友・山下善也さんです。その顛末と研究成果を、山下さんは「日英米の襖絵、150年ぶり奇跡の再会」と題してカタログに寄稿しています。朝日新聞で読み、あるいはNHK日曜美術館で観た方も少なくないでしょう。

0 件のコメント:
コメントを投稿