現在、我が国の仏教界において、密教がどの程度のパーセンテージを占めているのか存じあげません。しかし、きわめて大きな宗派であることは疑いないでしょう。事実、僕の家の近くにある大きな寺院は、宗泰寺と延命寺という二つですが、両者とも真言宗、つまり密教寺院なのです。
とくに延命寺は、弘法大師ととても縁が深いのです。天平時代、行基菩薩が逗子へやってきて手ずから地蔵菩薩像をお造りになりました。つぎの平安時代になると、今度は弘法大師がやってきました。ところが行基作の地蔵菩薩はお像だけだったので、大師は何とおいたわしいことと思い、これまた手ずから厨子を作ってお像をお納めになりました。
これが「逗子」という地名の由来なのです。1200年近く前、弘法大師は逗子まで旅をされていたんです。そんなのガセネタに決まっているじゃないかという猜疑心の強い方もいらっしゃるでしょうが、寺伝というものはロマンでありストーリーなのでしょう。

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