もう一つの構図的特徴は対角線効果です。「鎌倉三代記 三浦別れ」でも、時姫と三浦之介が作り出す三角形が、画面右上から左下へ向って引かれた対角線の下半分に収まっていることに気がつくでしょう。もちろん厳密な意味で対角線ではありませんが、対角線構図と呼ぶことを妨げません。
対角線構図は使い方によって、安定と動勢という背馳する二つの効果を生み出します。中国・南宋の馬遠や夏珪が好んで用いた辺角の景とか残山剰水と呼ばれる構図は安定と結びついています。一方、北斎の「冨嶽三十六景」<神奈川沖浪裏>は動勢を生み出しています。
言うまでもなく、絵金芝居絵屏風は後者の対角線構図です。これまた「浮世柄比翼稲妻 鈴ヶ森」のように、対角線構図ではない傑作もありますが、ほとんどの作品は大なり小なり対角線構図をとっています。
もう一つの構図的特徴は対角線効果です。「鎌倉三代記 三浦別れ」でも、時姫と三浦之介が作り出す三角形が、画面右上から左下へ向って引かれた対角線の下半分に収まっていることに気がつくでしょう。もちろん厳密な意味で対角線ではありませんが、対角線構図と呼ぶことを妨げません。
対角線構図は使い方によって、安定と動勢という背馳する二つの効果を生み出します。中国・南宋の馬遠や夏珪が好んで用いた辺角の景とか残山剰水と呼ばれる構図は安定と結びついています。一方、北斎の「冨嶽三十六景」<神奈川沖浪裏>は動勢を生み出しています。
言うまでもなく、絵金芝居絵屏風は後者の対角線構図です。これまた「浮世柄比翼稲妻 鈴ヶ森」のように、対角線構図ではない傑作もありますが、ほとんどの作品は大なり小なり対角線構図をとっています。
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