2025年2月25日火曜日

『昭和が恋した女優たち』3

 

ベンヤミンにしたがえば「アウラ」というものだったのかな() アウラはともかく、3人以外の方々もほとんど会ったことがあるように感じられるのが不思議です。

 『昭和が恋した女優たち』の副題は「生誕100年 写真家・早田雄二の世界」――大正5年(1916)に生まれた写真家、早田雄二氏の生誕100年を記念する企画だったのです。

どの女優さんも本当に美しくきれいに撮られているなぁと思って、早田氏みずから執筆した「映画スタア撮影の苦心」(再録)を読んでみると、つぎのように書いてありました。

狙いとしては、モデルその人自身の持っている一番よい所、よい面を掴むのをモットーにしている。私としては本人に喜んで貰える写真が撮りたい。

「本人に喜んで貰える写真」は、もちろんそのファンにも喜んで貰える写真だったにちがいありません。


0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」4

   「唐絵」のもっとも重要な一ジャンルに「詩画軸」があります。かつて僕は美術雑誌『月刊 水墨画』に「河野元昭が選ぶ水墨画 50 選」という連載を続けたことがあります。そのとき現在遺っている詩画軸のなかで、制作年代の確定できる最初の作品「柴門新月図」(藤田美術館蔵)を取り上げ、詩...