先生はベンヤミン以降におけるアウラの変貌を概観したあと、ご自身のアウラ観をもって結語とされています。
「アウラ」はすぐれた作品の中から出てくるものというよりも、すぐれた芸術家や作曲家の夢が、そのようにとらえられるのではないだろうか。
ベンヤミンはニーチェから大きな影響を受けたそうですが、ニーチェの名言「この世に事実というものは存在しない。存在するのは解釈である」と、先生のアウラ観が何となく共鳴している点にも興味をそそられました。先生の論文は2021年春開催された、第6回芸術と社会研究会における発表を編者がまとめたものだそうですが、出版順でいえば先生の絶筆というも不可ないでしょう。
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