2025年1月26日日曜日

東京国立博物館「大覚寺」5

 

嵯峨天皇「江頭の春暁」

  山崎離宮は塵の世の 煩わしさから隔絶す

  枕そばだて聞いている 古き関所の鶏とりの声

  夜が寝間着ねまきを湿しめらせて 知りたり山に近きこと

  旅寝を覚ます瀧の音に 渓たにに近きを悟りたり

  早くも月は西方へ 流れに乗って傾きぬ

  山の中では飢えた猿 暗い夜明けに鳴いている

  季節も物の雰囲気も まだ春めいてはいないけど

  汀みぎわの砂州さすの草だけは 茂ってやろうと構えてる


0 件のコメント:

コメントを投稿

クリス&クルス『芸術家伝説』6

  越川さんによると、本書誕生の背景とクリス&クルツの状況をつぶさに考慮すると、それほど唐突な見方とはいえないそうです。 このあいだ喜多川歌麿+蔦屋重三郎の『画本虫撰』は、寛政改革批判の絵本であったという妄想と暴走を「饒舌館長ブログ」にアップしました。まったく関係のない内容の...