一村の画歴上こんな重要な節目の新春に、「初夏の海に赤翡翠あかしょうびん」を汚すような年賀状を作ってしまいましたが、どうぞお許しください。ところで、僕が今のスタイルでモノクロ年賀状を彫り始めたのは昭和51年(1976)、これまた半世紀の節目を迎えました。
ヤジ「田中一村をダシに使ったりするな!! 《初夏の海に赤翡翠》をパクッた上に!!」
僕は小さいころから何となく絵が好きで、高校では美術部に入ったりしていました。しかし仲間の作品を見ると、コリャ~とても勝負にならんと思い、人の描いた絵を批評する――有り体にいうとケチをつける方に回ったんです。
というわけで、年に一度の自刻自摺年賀状が青春の思い出につながっているんです。先日の朝日歌壇には、我が同朋ともいうべき石黒紀夫さんという方の佳吟「来年の賀状いつもの木版画年に一度の小さな個展」が選ばれていましたが、石黒さんにとっても青春の思い出なのかもしれません。もっとも僕の場合は、青春の残滓という方が正しいかな(笑)
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