それはともかく僕にとって、この屏風は何よりも旧蔵者であるエツコ&ジョー・プライス夫妻の思い出と分かちがたく結びついています。ご夫妻には半世紀にわたり家族のごとく親切にしていただきましたが、若冲には会ったこともないんですから(笑) 改めてお二人の逝去を悼み、心からご冥福をお祈りしたいと存じます。
思い出は尽きませんが、一つあげるとすれば1993年秋、プライスご夫妻が主催した国際シンポジウム「Legacy of
Japanese Art Scholarship」に参加させてもらったことですね。ご夫妻はカリフォルニアのコロナ・デル・マールに新しく建てた、おとぎ話に出てくるような家――マッシュルーム・ハウスにお住まいでした。
その別棟ともいうべき、スタディルームにおける贅沢な鑑賞体験を忘れることはできません。谷一尚さんと一緒に泊めていただいた研究宿舎と、ご夫妻の心づくしが懐かしく思い出されるのです。
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