2024年4月19日金曜日

渡辺浩『日本思想史と現在』7

しかし渡辺浩さんは、先行研究が指摘した二つの点について、高橋博巳さんの見解が示されていないことが、やや残念だとしています。その先行研究というのは、大森映子さんの『お家相続 大名家の苦闘』(角川選書)と島尾新さんの『水墨画入門』(岩波新書)です。

僕も読んだ『お家相続 大名家の苦闘』が、浦上玉堂研究の資料として使えるとは夢にも思いませんでした。また政治思想史研究者の渡辺さんが、『水墨画入門』のような美術史本もお読みになっていらっしゃることに心を打たれました。両書ともすでに「饒舌館長ブログ」で取り上げたことがあるので、とくに興味を引いたのですが、いつか高橋さんにお会いする機会があったら、直接お考えを聞いてみることにしましょう。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」7

  このような器形を一般に「梅瓶」と呼んでいます。梅を生けるのによく用いられた花瓶であるところから、梅瓶と呼ばれるようになったというのが通説のようです。しかしカタログ解説によると、中国の『源氏物語』ともいわれる長編小説『紅楼夢』のなかに、瓶に梅を生けて観賞するシーンがあり、それが...