『大英博物館マンガ展図録 マンガ!』を開くと、上村一夫と同時代の名前を知っている漫画家や作品がないわけじゃ~ありません。それは辻惟雄さんのお陰です。
日本絵画におけるプレイフルネス――遊戯性に着目した辻惟雄さんにとって、マンガはとても重要な研究対象でした。あるいはマンガが好きだったゆえに、重要な研究対象にされたのでしょうか(笑)
名著『日本美術の歴史』<補訂版>をひもとくと、終りの方に「マンガ、アニメの興隆」という一項があります。辻さんは「いまや文化の先端に躍り出た感のある分野」であるマンガとアニメを、日本美術史のなかに正しく位置づけるべく筆を進めています。実に6ページにもわたって!!
そこに強く感じられるのは、マンガ・アニメに対する真率なる愛であり、旺盛なる好奇心であり、アカデミズムに曇らされることのないビビッドな眼差しです。
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