2021年10月19日火曜日

東京美術俱楽部「美のまなざし」「東美特別展」4

10点の最後を飾るのは、本阿弥光悦書・俵屋宗達筆「蓮下絵和歌巻断簡」です。その解説を書いたのは、何を隠そう饒舌館長です() ついでにというのも何ですが、その一部も掲げておくことにしましょう。

 金泥と銀泥の呼応から生れ出るリズムとハーモニーに心惹かれる。その上を流れていく水茎の跡の変化と大胆さがじつにすばらしい。絵と書が競い合うように、あるいは主となり従となり、そして睦み合うようにして巻末に至る空間と時間の構成を誉めたたえる言葉は、誰にも思いつかないであろう。さまざまな意味で、日本美術の象徴的作品である。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

すみだ北斎美術館「北斎をめぐる美人画の系譜」4

  確かに「華奢」ですが、とても健康的でスラリとし、その身丈<みたけ>が成長期の少女のように、さらに伸びて行きそうな感じが魅力的ですね。北斎の美人図に見られるこのような感覚を、かつて僕は「伸暢感覚」と呼んだことがあるんです。  寛政7年(1795)北斎は江戸琳派の創始者ともいうべ...