2021年4月29日木曜日

府中市美術館「与謝蕪村」8

  君笑い「その十倍だ 大杯で 罰酒飲まざるべからず」という

  おもむろに懐中から出す宝物――呂尚と王莽[おうもう]時代の刀銭

  斉国の大刀――周でただ一種 鎌[かま]の形で取手に環[]あり

  「斉」の字が半分残って読み取れて 裏にゃ 真ん丸 鋳出されている

  次に見た金錯刀にゃ~「一刀の平[あたい]は五千」と刻まれている

  精銅は虫に食われず腐食せず 環も刀身もじつに優美だ

  君がため盃[さかずき]挙げて飲み干して 馬で帰れば月皓々と……

その解説によると、劉原甫は梅尭臣の親友で、しばしば詩の唱和をしています。この詩でも、ご馳走になりながら「酌してくれる美人はおらず」なんて詠んでいるのですから、とても親しかったのでしょう。劉原甫は役人としても相当な地位にのぼり、北方のキタイ(契丹)に使いしたこともありました。また学者としても一流で、その豊かな学識は、さしもの欧陽脩をしてしばしば感服せしめたほどだそうです。

梅尭臣の詩にある「大刀」と「金錯刀」は有名な古銭らしく、上記選集の口絵に写真が載っていますが、「古代中国のお金って、こんなだったんだ」と思わせる変な形をしています。これじゃ~使いにくくって仕方ありません()

 

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