今年は「饒舌館長」にとって服部南郭の年でした。まず新春をことほぐ詩に始まって、夏の詩、秋の詩とずいぶんたくさん紹介してきました。紹介といっても、みんなマイ戯訳でしたが(笑) 南郭はもっとも愛する江戸漢詩人の一人ですが、今年は蕪村三大横物に関する妄想と暴走を『國華』に書いたので、蕪村の師である南郭の詩を改めて読んだせいもあったのでしょう。さすが南郭先生、歳暮の詩もすごくいい!! 今年まったくなかった忘年会の代わりにもなります――いや、ならないかな? 出典はおなじみ『江戸詩人選集』第3巻です。
歳晩 草堂の集い
ボロ家わびしく住む人は 相変わらずの隠者だが
朋友[とも]が集まり本年も 行く年惜しむ忘年会
常盤[ときわ]とはいえ一本の 老いたる松が植わるだけ
うだつ上がらぬ晩年に 耐え難いのは隙間風
酒 酌み交わせば友情の 盃[さかずき]だって温まり
「白雪の曲」素晴らしく みんなが歌うの眺めてる
ゆめ忘れるな!! 春風が 吹いてウグイス門前の
芽吹く柳で歌うころ なおさら歓を尽くそうよ!!
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