『國華』には原詩と読み下しを掲げましたが、この「饒舌館長」では、毎度おなじみの戯訳で紹介することにしたというわけです。徐寅は福建・甫田の人だそうですが、剣門山、錦水(錦江)、岷山の3つがそろうのは蜀(現在の四川省)のようです。あるいは「蜀葵」という花の名に惹かれて、そこの立葵を想像して詠んだ詩なのでしょうか。
こういう漢詩があるらしいことは、春山幸夫著『花の文化史』で分かったのですが、そこには現代語訳の一部が引かれるだけで、詩人の名も詩のタイトルも書いてありませんでした。これが徐寅の「蜀葵」であり、『全唐詩』に収められていることが判明したのは、ひとえにネット検索のお陰でした。
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