これを物心両面で温かく、また力強く支え続けてくれたのが、創刊後間もなくやってきた危急存亡のときを救ってくれた村山龍平翁と上野有竹斎翁であり、両家が社主をつとめる朝日新聞社でした。その支援は現在も絶えることなく続けられています。
このように朝日新聞は、日本東洋美術研究のすぐれた庇護者であり、日本東洋文化の守護神であるといっても過言ではないと思います。もし朝日新聞の支援がなかったとしたら、『國華』は『ガゼット・デ・ボザール』と同じ運命を、しかもより早くたどっていたにちがいありません。
たとえ朝日新聞に反省すべき点があったとしても、もしそればかりをあげつらおうとする方がいらっしゃるなら、このような採算を度外視した日本東洋美術に対する朝日新聞の貢献を、饒舌館長は声を大にして叫びたいのです。今の言葉でいえばコストパフォーマンスをまったく無視した、日本東洋文化に対する熱烈なサポートです。
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