2020年10月26日月曜日

東京国立博物館「桃山」5

 

 
 これらによって僕は、式部輝忠のおもしろさに目を見開かされたのです。その後の多方面にわたる山下さんの活躍は、すべてこの2論文に発するといっても過言じゃないでしょう。

この「李白観瀑図」は、島田修二郎・入矢義高監修『室町画賛 室町水墨画を読む』にも収録されていますが、その解説を担当するのはもちろん山下さんです。

さすが山下さんは、普通の学生と目の付け所が違います。彼が取り上げるまで、式部輝忠は本当にマイナーな画家でしたが、今では戦国時代関東水墨画を代表する画家と認識されています。これもひとえに山下さんのお陰です。研究もほとんど山下さんがやり尽くしてしまっていますが、こんなにすごい画家なら、まだまだ研究する余地は残っていそうです。


0 件のコメント:

コメントを投稿