2020年10月2日金曜日

五木寛之『大河の一滴』8

 

先の『朝日新聞』には、「今年3月上旬から再び売れ始め……」とありましたが、まさにコロナウィルスの恐怖が身近に迫ってきた時期と符合しています。人々は心の拠りどころを求め、すがるように本書を読み始めたにちがいありません。それが再び売れ始めた理由でしょうが、その感染症のページに至り、いよいよ深く五木哲学に心酔したはずです。

コロナウィルスだけではありません。コロナ禍のために一般化したリモート授業、オンライン講義をすでに予言し、その限界に警鐘を鳴らしつつ、人間との接触――<面授>の重要性をズバリ指摘しているのです。驚くべき予知能力です。


0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館(門司)「琳派の系譜」10

   「月もろともに出潮の……」とある のが 興味深いですね。蓋のチョッと光を帯びたような茶色の地は、月夜のあえかな光と 溶け合っている ように感じられ る からです 。少なくとも、青天白日 というか 、まぶしいような陽光を想像する人はいない と思います 。   身の内側に描かれ...