2020年9月23日水曜日

静嘉堂「美の競演」7

 

瑞峯院の創建年代についてはいくつかの説がありますが、天文4年(1535)というのが定説のようです。しかしこの年、宗麟はわずかに6歳、宗麟創建とすればもっと遅れるはずでしょう。事実、宗麟没年にあたる天正15年(1587)説もあるようです。少なくとも襖絵は、元亀年間、宗麟の40代まで遅れるというのが私見です。

しかしそんなことはどうでもよろしい。ここに大友皇子を持ち出してきたのは、皇子が我が国最初の漢詩人だからなんです。僕は日中を問わず、漢詩の世界に得もいわれぬ魅力を感じます。我が国初の漢詩集『懐風藻』は、じつに大友皇子の2首「宴に侍す」と「懐いを述ぶ」をもって始まります。またまた饒舌館長の戯訳で紹介することにしましょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」1

  出光美術館「出光美術館の軌跡 ここから、さきへⅠ 復刻 開館記念展  仙厓・古唐津・ 中国                           陶磁・オリエント」< 5 月 19 日まで>  いよいよシリーズ企画展「出光美術館の軌跡 ここから、さきへ」の第 1 回「復刻 ...