2020年7月20日月曜日

三菱一号館美術館「画家が見たこども展」4



かつて「饒舌館長」にアップロードした<奈良国立博物館「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」><小澤優子文化交流サロン>もお読みいただければ幸甚に存じます。そこにも書きましたが、子供は純粋無垢にして何か超越した存在であるという思想が、古くから我が国にあったように思われてなりません。山上憶良以来の子供聖性観とでも名づけたいような観念です。幕末明治期、外国人を驚かせた「子供の天国」の根底にも、この子供聖性観があったというのが私見です。
「子供の天国」をもっとも生き生きと表現してくれたのは、やはり浮世絵師たちでした。いま僕は、江戸子ども文化研究会編『浮世絵のなかの子どもたち』(くもん出版 1993年)を見ながら、この「饒舌館長」を書いています。静かにページを繰っていると、懐かしく、うらやましく、そしてチョット誇らしい気持ちになってきます。

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