2019年11月22日金曜日

絵画の表装ベストテン5


拙稿「梁楷筆山水図(東京国立博物館蔵)」(『月刊 水墨画』20149月号)

この「雪景山水図」は、古くから同じく梁楷筆の「出山釈迦図」を中幅に、もう一幅の「雪景山水図」を添えて、三幅対として鑑賞されてきました。能阿弥が室町将軍家の中国絵画をまとめた『御物御画目録』に、「出山釈迦 脇山水 梁楷」と記録され、各幅には足利義教[よしのり]の鑑蔵印である「雑華室印」が捺されているのです。もともとは単独の幅だったのでしょうが、日本におけるもっとも見事な異種配合と称えたい気持ちがわいてきます。元時代の文人、戴表元の文集に収められる「梁楷画雪塞游騎図」が、まるでこの「雪景山水図」を詠んだごとくであることが、板倉聖哲氏によって指摘されています。私の戯訳をもって紹介することにしましょう。

馬は首筋そばだてて 走ったあとは一休み
旅人の服 毛布製 革[かわ]の帽子に雪つもる
牛に乗るのは田舎もの 馬に乗るのがカッコイイ
西域なのに雪の旅 砂嵐なら分かるけど

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」4

人はだれしもこの幸福な島国で、春、とくに桜の季節を京都や東京で過ごすべきだ。その季節には、思い思いに着飾った人々が、手に手をたずさえ桜花が咲き乱れる上野公園をはじめ、すべての桜の名所に出掛けてゆく。彼らはその際、詩作にふけり、自然の美と景観を賛美する。……世界のどの土地で、桜の季...