東京都美術館「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」<4月7日まで>
奇想――奇想天外の奇想です。辞書には奇想天外=普通の人の思いもつかない考えなどと書いてあります。奇抜な考えが、
天から降ってくるようにわいてくることです。昭和43(1968)年、そんな奇想天外なる江戸時代の画家たちを集めて、評伝「奇想の系譜
江戸のアヴァンギャルド」が美術雑誌の『美術手帖』に連載されました。去年がちょうどその50周年という記念の年でした。著者は新進気鋭の美術史家・辻惟雄さんでした。
選ばれたのは岩佐又兵衛(1578~1650)、狩野山雪(1590~1651)、伊藤若沖(1716~1800)、曽我蕭白(1730~81)、
歌川国芳(1797~1861)の5人でした。その2年後、もう一人長沢芦雪(1754~99)が加えられ、蕭白描く墨龍の奇妙な寄り目がハード・カバーを飾る『奇想の系譜』(美術出版社)が出版されました。
懐かしくなり、いま書架から引っ張り出してパラパラとページを繰っていると、朝日新聞・昭和45年4月21日版に載った書評と、「著者と一時間」というインタビュー記事の茶色く変色した切り抜きが出てきました。「東京国立文化財研究所で」というキャプションをつけられた辻さんの写真がすごく若々しい――というより、すごくカワイイ‼
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