2019年3月7日木曜日

追悼ドナルド・キーン先生 7


 キーン先生は、先日も「饒舌館長」に登場願った永井荷風が真率慰められたという、枕山の安政元年詠七絶を掲げています。確かにすごくいい!! 例により、僕の戯訳で……

  戦いを詠む杜牧の詩 賞揚するな そんなもん

  陶淵明の飲酒の詩 も一度読んでみてごらん

  小さな部屋をカーテンで 暗くし往時をしのぶべし

  端本と樽の残り酒 人生それで充分だ‼

「戦いを詠む杜牧の詩」とは「烏江亭に題す」を、「陶淵明の飲酒の詩」とは、かの有名な「菊を採る東籬の下……」を含む20首を指しているにちがいありません。いまごろキーン先生は、親しかった川端康成や三島由紀夫や安部公房と、天上で日本文学談義に花をさかせていらっしゃることでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」3

しかし平安時代前期が終わり、遣唐使が廃止されて国風文化が成熟してくると、梅と桜の人気は逆転、「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」と詠むような桜狂 さくらきちがい がたくさん出現することになります。 もちろん、桜を賞美する花見は高位貴顕の人々に限られていましたが、...