2019年3月16日土曜日

國華特輯号「屏風絵新考」1


 美術雑誌『國華』については、何回かアップしたところですが、最近発行された1480号は「屏風絵新考」と題する特輯号です。編集担当となった僕は、「特輯にあたって」を、つまり序文を書く羽目になりました。例のごとく、大ぶろしきの気味はありますが、改めて多くの方に『國華』を知っていただきたいと思い、ここに再録することにいたしました。もちろん、すでに『國華』をご覧になった方は、スルーしていただいて結構です。

 屏風――それは中国で発明されたものだったらしい。諸橋轍次『大漢和辞典』は、「屏風」という語が、早くも『史記』や『漢書』に出ること、つまり前漢時代には存在したことを教えてくれるが、実態は不明というしかない。それはただ風を屏[ふせ]ぐものという意味であって、さらにさかのぼって古代から用いられていた衝立を指す「扆」[]と厳密に区別することは、ほとんど不可能であるように思われる。

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