2018年9月8日土曜日

東京国立博物館「縄文」7


 この拙論を私は、第4回国際文化フォーラムの思い出、つまりディスカッサントとして、キーノート・スピーカーの三輪嘉六先生に対し、「日本文化は東日本から東北から」と反論したことから書き出した。会場となった九州国立博物館の展示、「海の道、アジアの路」で見た土偶の東西比較をその証拠として持ち出したのだが、縄文遺跡の東高西低という分布状況がその前提となっていたことは、改めて指摘するまでもない。

ところがこのたび原田氏によって、現在のところ縄文草創期までさかのぼる唯一完形の土偶、言ってみれば現存最古の土偶は、三重県粥見井尻遺跡出土のものであることを教えられた。平成に入って間もなく発見された土偶で、それまで最古とされていた茨城県花輪台貝塚出土の早期の土偶をさらにさかのぼるという。私としてはいささか残念だが、東日本からも草創期の完形土偶が出土することを、祈る気持で待つことにしよう。

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