2018年6月25日月曜日

優先席14


1990年代後半に入ると、シルバーシートの対象が高齢者や体の不自由な方から、それ以外の生活弱者にも広げられ、やがて「優先席」とか「優先座席」と呼ばれるようになったそうです。つまり、1972年以前は優先席なんかなかったわけで、それで日本社会はうまく機能していたんです。

もっとも、機能しなくなったから、シルバーシートが考案されたのかもしれませんが、それ以前の優先席なんかなかった時代にもどして、日本人のやさしい心?にすべてを委ねようというのが第五案です。

なまじ優先席なんかあるから、それ以外の席に座っている非生活弱者が、生活弱者に席を譲らないのだとも考えられるでしょう。なまじ優先席なんかあるから、そこで仲良くしている若い男女がいると、譲られることを期待してその前に立った僕がイライラするのであって、優先席さえがなければ、イライラなんかするはずもありません。

 いや、イライラするのは席を譲られなかったことにたいしてではなく、仲良くしていることに対してかな(⁉)いずれにせよ、もう一度、優先席のない真にヒューマニックな電車に戻してみたらどうでしょうか

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