2018年2月15日木曜日

出光美術館「色絵」5


日本国 古くは倭奴国といったが、日(太陽)が出る所に近いので、日本と改めた。絵画もあることにはあるが、画家の名前は分からない。その国の風物・山水・小景(小画面のおだやかな風景画)が描かれている。彩色は濃厚で、多く金碧を用いており、その「真」という点からみると不十分で、ただ彩色燦然たるを求め、「観美」を第一としている。しかし他の国や地域に比べれば、人品卑しからず、一応のしきたりもあるのだが、山間僻地ともいうべき礼儀も知らないような未開の土地である。それにもかかわらず、よく絵画というものに興味をもっているのは、なかなか見上げたものである。

中華思想の見本のようで、徽宗周辺の人々は日本のことをこんな風にみていたんだぁと笑ってしまいますが、「観美」とあるのが興味深く感じられます。一部、文意がよくとれないところがあったので、私意にしたがって訳してみましたが、大きくは間違っていないと思います。

 ところで「観美」を『諸橋大漢和辞典』に求めると、「徒らに外面の美だけを務めて、内実が充実しないこと。表面を飾る」とあり、出典として『孟子』があげられています。しかし、本来の意味であったにちがいない「観て美しい」と解釈すれば、日本絵画の特質とされる装飾性を鋭く突いた批評にもなるのではないでしょうか。それはともかく、日本文化は「色好み」の文化なのです(!?)


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