2017年10月8日日曜日

小澤優子文化交流サロン5




そして何よりも、幕末明治のころ、日本へやってきた西欧人が、ひとしなみに我が国が「子供の天国」であると感嘆したという事実を指摘する方が手っ取り早いでしょう。渡辺京二氏が名著『逝きし世の面影』に「子供の天国」という一章を設けて実証したような、日本人の子供に対するやさしい態度であり、幼児を見るあたたかいまなざしです。

僕は「稚児大師像」に直接関係する『今昔物語』の一節をまず引用しました。本来であれば、大師晩年の『御遺告』[ごゆいごう]を掲げるべきかもしれませんが、大師信仰という観点からは、むしろ『今昔物語』の方がふさわしいでしょう。というよりも、『御遺告』は手元になく、『今昔物語』は「日本古典文学全集」本が書架にあったからです。

つぎに、西欧人が見た日本人の幼児観を示す文章を2つばかり引用して配布資料を作りました。それをそのまま以下に掲げておきたいと思います。「饒舌館長」にアップした「奈良国立博物館『快慶 日本人を魅了した仏のかたち』」から、地蔵菩薩に関する私見も引用しましたが、これは「饒舌館長」で見ていただくことにしましょう。

美味しいフランス料理とワインをご馳走になったあと、このような日本人の子供純真観、幼児聖性観に加えて、密教の現実をそなまま肯定する即身成仏思想と、岡倉天心の日本美術仏教哲理論に言及しながら、このおしゃべりトークを楽しく終えたのでした。

 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 15

  モラエスは「以上諸点の総括」の章でも、 「改革の大演劇」によって「美という美がすべて荒廃しつつある」ことを慨嘆しています。 荒廃 のなかに残るわずかな美を探し求めた、サウダーデの旅の結晶が 『日本精神』 をはじめとするモラエスの著作 だったように感じられます。   旅の画家と...