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2017年10月10日火曜日

小澤優子文化交流サロン7


④   日本の生活曲線は、アメリカの生活曲線のちょうど逆になっている。それは大きな底の浅いU字型曲線であって、赤ん坊と老人とに最大の自由と我儘とが許されている。幼児期を過ぎるとともに徐々に拘束が増してゆき、ちょうど結婚前後の時期に、自分のしたい放題のことをなしうる自由は最低線に達する。この最低線は壮年期を通じて何十年もの間継続するが、曲線はその後再び上昇してゆき、六十歳を過ぎると、人は幼児とほとんど同じように、恥や外聞に煩わされないようになる。アメリカではわれわれはこの曲線を、あべこべにしている。幼児には厳しいしつけが加えられるが、このしつけは子供が体力を増すに従って次第にゆるめられてゆき、いよいよ自活するに足る仕事を得、世帯をもって、立派に自力で生活を営む年ごろに達すると、ほとんど全く他人の掣肘を受けないようになる。われわれの場合には、壮年期が自由と自発性の頂点になっている。年をとってもうろくしたり、元気が衰えたり、他人の厄介者になったりするとともに、再び拘束が姿を現わし始める。
                         ルース・ベネディクト『菊と刀』

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