2017年7月19日水曜日

静嘉堂「曜変天目」諸説1


 さて、いよいよ曜変天目の「日本限定現象」に関する新しい情報へ進むことにしましょう。すでに田中優子さんから、この問題を論じた中国人留学生が法政大学にいたことを聞いていました。それが彭丹さんで、日本限定現象を中心に、日中陶磁比較論の観点からまとめた興味深い一書が、『中国と茶碗と日本と』(小学館 2012)です。

腰巻には、「日本人が気づかない日本文化の死角」「謎多き茶碗に秘められた中国と日本の似て非なる文化的本質を新進気鋭の中国人研究者が読みとく」とあります。僕だったら、最後に!を2つか3つ付けちゃうところですね!!! 

本書の著者紹介によると、彭丹さんは1971年、四川省重慶の生まれ、日中比較文化研究者として、法政大学社会学部の講師をつとめているそうです。研究のかたわら、茶の湯、能楽、禅などの日本文化に親しむとありますから、すでにアップしたことがあるデービッド・アトキンソンさんと同じく、もう僕など足元にも及ばない日本人だといってよいでしょう。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブータン博士花見会4

  とくによく知られているのは「太白」里帰りの物語です。日本では絶滅していた幻のサクラ「太白」の穂木 ほぎ ――接木するための小枝を、イングラムは失敗を何度も重ねながら、ついにわが国へ送り届けてくれたのです。 しかし戦後、ふたたび「染井吉野植栽バブル」が起こりました。全国の自...