2017年6月15日木曜日

中村賞4


王培さんは中国出身の画家で、少数民族のミャオ族や、チベットの風俗を主要モチーフに制作を続けてきました。とくに子供の愛くるしい一瞬の表情や、自然の中で育った少女の初々しさをとらえた作品は、見るものの心に深く染み渡ります。ミャオ族はとても美的感覚にすぐれた民族で、僕も長い間、彼らが作ったお財布を愛用してきました。

並木さんは平安仏画において頂点を極めた切り金という技法を用いながら、伝統的な日本画の枠を飛び出した斬新な画風に個性を発揮しています。しかし、もともと日本絵画は工芸的性格を内包していましたから、伝統回帰というベクトルもうかがわれるでしょう。

「中村賞」は、日本の伝統的画法を受け継ぎつつ、豊かな将来性を示す次世代の画家を顕彰支援することを目的としています。これにもっともふさわしい作家として、名誉ある第6回「中村賞」を受賞することになった王培さん、並木秀俊さんを心からお祝い申し上げるとともに、更なる研鑚を胸底より念じたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

三菱一号館美術館「レオナルド☓ミケランジェロ展」2

「僕の一点」は、やはりダ・ヴィンチの「少女の頭部 <岩窟の聖母>の天使のための習作」です。鳥肌が立つような素晴らしさは、とても人間業とは思えません。じっとながめているうちに、パブロ・ピカソの古典主義時代の作品が脳裏に浮かんできたのでした。 そしてピカソはこの作品...