校注を加えて解説を書いた塚本学氏は、「筆者(茂睡)の入手した情報は幕府内部にも及んで豊富で精度の高いものであったといえる。本書の記述内容には、かなり高い信憑度を認めることができるのである」と指摘しています。『御当代記』の貞享3年6月6日の記事はよく知られるところです。現代語に直して掲げることにしましょう。
6月6日、小姓衆の伊東淡路守(基祐)に閉門が言い渡され、その後南部遠江守(直政)にお預けとなった。将軍近くに勤務する者は女性と馴染んではならないと禁じられていたが、淡路守は妻がないのに妾をもち、これに子を産ませた。
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