2022年1月18日火曜日

根津美術館「鈴木其一・夏秋渓流図屛風」13

 


 去年の暮、根津美術館・野口其一展印象記をアップしました。そのとき鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」と円山応挙の「保津川図屏風」に共通する構図、つまり一双屏風の両奥から中央に向かって渓流が迫ってくるような構図を「迫央構図」と呼びたいと提案しました。ヤジが飛んでくるかと思ったら、意外に「いいね!」が多かったので、うれしくなってしまいました。野口さんも「これから使わせてもらいましょう」と言ってくれました!!

じつは「保津川図屏風」について、もう一つ独断と偏見があるんです。応挙は円満院時代の「大瀑布図」に始まって、いくつか滝の絵を描きましたが、そこには有名な中国の廬山の滝や、龍門の滝のイメージが寄り添っていたように思います。

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