C勅使河原純『菱田春草とその時代』(六芸書房 1982)
そこへ提出されたのが、春草の「寡婦と孤児」であったのだ。少なからず世を憚る、戦争批判の臭いをもったこの作品に対して、岡倉校長は躊躇なく優等第一席の評価を下した。いわゆる戦争画、それも血の流れている場面などを特に喜んだといわれる一般の趣味とは、およそ対照的な態度である。岡倉は決して戦争画を認めず、弟子達にも描くことを許さなかった。この点で彼の立場は一貫し、生涯決して揺れることはなかった。
大英博物館は、日本の美術工芸品と考古遺物の広範かつ包括的な収蔵品で世界に知られ、ヨーロッパでは最も充実しており、日本国外でも特に重要なもののひとつとみなされています。日本に由来する品は、当館の礎である1753年設立時点の収蔵品にも含まれていましたが、 数百年のうちに各種分野に...
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