本邦初の辞典がここに誕生したんです。しかも日本語のあとに、すぐれた英訳がついているから便利です。便利なだけじゃ~ありません。日本語と英語における視覚文化へのアプローチが意外に異なっていることが浮彫りになり、おのずとわが国視覚文化の特質といった問題へ導かれることになります。この質量と20年間の編集期間を考えれば、96800円という定価は決して高くありませんが、まずは図書館でぜひ購入してほしい辞典ですね。
全10264項目の最初は「アーカイヴ」――「美術館などを含む機関などで記録を保存、活用することという意味に用いる」とありますから、僕が勝手に使ってきた「國華アーカイヴ」も間違いじゃ~ないことが分かってホッとしました。しかしそれは『國華』というアナログ雑誌に印刷されたアナログ図版のアーカイヴです。今やアーカイヴ=デジタル情報の保存公開だとすると、やはり「國華アーカイヴ」はガラパゴスかな(笑)