そして70歳定年後、すぐこの『近藤先生の面白授業』をまとめられたのですから、爪の垢でも……といった心境です。もちろん実際に送ってもらっては困ります(笑)
中国美術を体系的に学ぶためには、本書はあまり向いていないといってよいでしょう。もちろん近藤さんも、「教科書通りの厳密な美術史授業ではないと、形式主義者は眉を顰めるであろう。どうぞ顰めてください」と開き直っています。
しかし僕は、あえて教科書には最適であると推薦したいのです。体系的じゃ~ないかもしれませんが、中国美術に、あるいは中国文化に興味をもってもらうきっかけがたくさん詰まったニコゴリみたいな本だからです。もっとも、「第1章 豚TOILET」を読んだだけで、中国が嫌いになってしまう学生の方が多いかもしれませんが、何十人に一人、中国美術に興味をもつことになれば、本書出版の目的は達せられたというべきでしょう。