燕歌行
秋の気配が日々日ごと 募ってきます 悲しいわ!!
わびしく木々は風に鳴り 帰って来ません あの人は
チョット登った高殿で 心の悲哀いや増して
秋風吹けば白雲が 乾[いぬい]の方から流れ来る
その西北の道はるか 君は久しく彷徨[さまよ]って
天涯の地で故郷[ふるさと]を 思い出してることでしょう
妾[わたし]は一人鬱々[うつうつ]と 転寝[うたたね]さえもできません
君帰り来て再会が 叶うはいつのことかしら?
いつも弾いてる琴に手が 触れても弾く気になれません
なぜって澄んだその絃の 悲しい響きが恐いから
この明月を夜明けまで 眠くもならず眺めれば
遥か千里のかなたへと 雁鳴きながら飛んで行く
銀河に降りた白露[しらつゆ]は 消えもしません一晩中
牽牛・織女の紅涙が 妾[わたし]の衣を濡らします
天上界には何ゆえに 悲しい別れが多いのよ?
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