しかしこのように実際の作品を、多くのジャンルにわたって並列的に見せられると、それはおのずと古典と現代の美意識対決みたいになっていて、じつに面白いんです。しかしそれ以上に、日本美術における古典と現代の抜き差しならぬ関係――いま風にいえばDNAの方を、強く感じずにはいられませんでした。
「僕の一点」、いや今回は「僕の一組」となりますが、それは円空×棚田康司です。日本美術における古典と現在の抜き差しならぬ関係が、もっとも興味深く印象づけられたからです。実をいうと、これについてはすでにしゃべったことがあるんです。
2013年秋、ディレクターをつとめていた秋田県立近代美術館で、特別展「ZIPANGUⅡ 沸騰する日本の現代アート」を開催しましたが、もっとも惹かれたアーティストの一人が棚田康司さんでした。
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