もちろん中国でも、虫の音を味わうことは大いに行なわれていました。虫の音を聞いて、秋の到来を知り心に哀しみを覚えるのは日本人だけだという説を聞いたことがありますが、そんなことはありません。『北京風俗大全』を読むとよく分かりますし、蟲声や蟲語を詠んだ古詩からも明らかでしょう。
それは同じですが、闘蟋はどうでしょうか。日本へ入ってこなかったと断言はできませんが、少なくとも日本で流行らなかったことは確かでしょう。科挙と宦官かんがんと纏足てんそくは日本人が学ばなかった中国文化だという説を聞いたことがありますが、あるいは闘蟋を加えることができるかもしれません。
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