2022年5月20日金曜日

蕪村唐寅試論12

 

唐寅「花下酒を酌む歌」(続)

  来年の今日この花が 咲いているかは分からない

  今日 来年のことなんか 誰にもまったく分からない

  測りがたきはこの自然 しょっちゅう風吹き雨も降る

  予測不能だ 人生も 挫折・蹉跌はしょっちゅうだ

  しかし自然と人生が 同じだというわけじゃない

  自然は輝く春光で 人生――流水ごときもの

  育てることが難しく 花期も短い名花だが

  人も少年老い易く 若いころには戻れない

  花の下にて日々陶然――そうはいくまい人生は

  それゆえ花は人生が 馬鹿げたものだと笑ってる

0 件のコメント:

コメントを投稿