その幽霊画を1冊の本にまとめて出版しようというのですから、こんな心躍るプロジェクトはほかにないでしょう。辻さんに是非やらせてくださいと、こちらからお願いしたことは言うまでもありません。
僕がその展示を見に行ったもっとも大きな目的は、研究対象の一人であり、尊敬して止まない画家・円山応挙の「幽霊図」が、必ず出るからでした。そのことを辻さんにしゃべったことがあったかどうか、記憶が定かではないのですが、応挙の幽霊図について書いてほしいというのが、辻さんからの依頼でした。しかし応挙の幽霊図についてまとめるとなると、弘前市の久渡寺が所蔵する、有名な応挙の優品「反魂香之図」を見ないわけにはいきません。
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