『朝日新聞』夕刊に「まちの記憶」というシリーズがあります。先日、東京都大田区の「蒲田」が、「昭和歌謡が似合う 人情横丁」というキャッチコピーとともに取り上げられていました。懐かしく、思い出深く、これまた「サウダーデ」という感じで――いや、「ザ・サウダーデ」といった感じで読み終わりました。ポルトガル語に「ザ」は付かないと思いますが(笑)、僕が9歳から29歳まで20年間住んだ街が蒲田でした。
記事を書いた編集委員の小泉信一さんは、33年前、履歴書に「趣味 銭湯めぐり」と書いて就職試験に臨んだ思い出から書き始めています。もちろん朝日新聞の就職試験で、本社での最終面接では、役員の方から趣味の理由を聞かれ、「銭湯すたれば 人情もすたる」という名言で知られる詩人・田村隆一さんの「銭湯文化論」を披瀝したそうです。
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