会場建物の二階に上がると、雪佳と楯彦によって考証された時代婦人風俗人形が飾られ、女性の髪で作られた実物大の時代髷17種、加えて服装、音楽、書画、衛生、舞踊、装身の各部に新旧の作品が陳列されていた――と、これまた『大阪朝日新聞』にあるそうです。
雪佳は最近とみに評価の高い近代琳派の画家であり工芸家です。一昨年、京都を中心として琳派400年記念祭が行なわれ、琳派ブーム?の様相を呈しました。僕も狩り出されて、京都国立博物館で開催された特別展「琳派 京を彩る」のゲスト・キューレーターをつとめることになった顛末については、すでにアップしたとおりです。この展覧会では、江戸時代までの琳派に限ったため、雪佳には出演してもらうことができませんでした。
しかし、細見美術館所蔵の琳派作品による特別展では大活躍でした。その特別展は、京都高島屋を振り出しに3箇所で行なわれたのですが、館長の細見良行さんは、雪佳に最大の見せ場を用意したのでした。
その細見美術館が所蔵する雪佳の傑作に「金魚玉図」がありますが、それをラベルにしたお酒も琳派400年を記念して発売されました。それを舞台でグイグイ?やりながら、落語家の桂文我師匠と琳派論を交わしたトークショー「おしゃべ琳派」も、今や懐かしく思い出されるのです。
雪佳のモノグラフも著わしている榊原吉郎さんから雪佳のお話を聞き、やがて二人の琳派観や京都江戸優劣論へと進んでいった対談も、やはり忘れることができません。
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