サントリー美術館「神の宝の玉手箱」<7月17日まで>
玉手箱といえば、浦島太郎が龍宮の乙姫様からもらい、帰ってから開けたら自分が一瞬にして白髪の老人になってしまったという箱――「開けてびっくり玉手箱」を思い出す出すことでしょう。しかしもともとは、金銀や螺鈿で飾られた玉のように美しい箱という意味でした。それが浦島伝説に取り入れられて、そっちの方が有名になってしまったのでしょう。
サントリー美術館六本木開館10周年をことほぐ「神の宝の玉手箱」は、この玉手箱という工芸が秘める独自の美しさと、私たちが世界に誇りたくなるものづくりの精緻なテクニック、そこから広がる豊かな玉手箱イメージを、実際の遺品と関連資料によって視覚化しようとする、オススメの特別展です。ギャラリーを巡るうちに、あの浦島伝説が生まれた理由も、おのずと理解されてくることでしょう。
さて、サントリー美術館最高の逸品として、国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」があります。今回、人間国宝・室瀬和美さんの手により、50年ぶりの修復が完了しました。これを初公開する特別展でもあるのです。もちろん「僕の一点」もこの国宝手箱です。
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