2024年11月14日木曜日

追悼 高階秀爾先生9

 

今年のテーマは「祭りの美術」――これも高階先生の発案でした。本来であれば先生が総合司会とキーノートスピーチをされるはずでしたが、体調芳しからず、選考委員仲間の大高保二郎さんが急遽ピンチヒッターを買って出てくれました。押し付けられたのかな()

講師には五味文彦さん(東京大学名誉教授)と木川弘美さん(清泉女子大学教授)をお迎えしました。五味さんは「祭の日本史」、木川さんは「聖と俗・都市と地方『あべこべの世界』を描く」と題して、それぞれ大変おもしろいお話を展開されました。

僕の役目は、五味さんの発表に対するコメンテーターでしたが、この日本歴史学界の泰斗、しかも先日文化功労者になられた権威に対して、さすがの饒舌館長もコメントをする――有り体にいえばチャチャを入れるほど厚かましくはありません。近世絵画史上、祭りをライトモチーフにした名品屏風を何点か選び、スライドショーで責をふさぐことにしました。


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追悼 高階秀爾先生10

しかし少しでもカッコウをつけようと思い、かつて読んで強く印象に残っている諏訪春雄さんの『日本の祭りと芸能 アジアからの視座』(吉川弘文館  1998 年)の分類を援用することにしました。諏訪さんは次のように指摘しています。  日本列島には有史以前から幾次にもわたって大陸から文化の...