今年のテーマは「祭りの美術」――これも高階先生の発案でした。本来であれば先生が総合司会とキーノートスピーチをされるはずでしたが、体調芳しからず、選考委員仲間の大高保二郎さんが急遽ピンチヒッターを買って出てくれました。押し付けられたのかな(笑)
講師には五味文彦さん(東京大学名誉教授)と木川弘美さん(清泉女子大学教授)をお迎えしました。五味さんは「祭の日本史」、木川さんは「聖と俗・都市と地方『あべこべの世界』を描く」と題して、それぞれ大変おもしろいお話を展開されました。
僕の役目は、五味さんの発表に対するコメンテーターでしたが、この日本歴史学界の泰斗、しかも先日文化功労者になられた権威に対して、さすがの饒舌館長もコメントをする――有り体にいえばチャチャを入れるほど厚かましくはありません。近世絵画史上、祭りをライトモチーフにした名品屏風を何点か選び、スライドショーで責をふさぐことにしました。
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