陸游「畜猫を嘲[あざけ]る」<『剣南詩稿』巻38>
ネズミが盆ひっくり返して大暴れ
でもキミは爆睡グーグー高いびき
腹いっぱい食べるご馳走夢に見て……
好き勝手ネズミがやるのを横目で見
身上はパッとセミ捕る敏捷性
でも好きはのんびりすること木の上で
ク山とは一体どこにあるのやら
名猫がそこにはたくさんいるのにね
* ク山の「ク」は「月+句」という、僕のワードでは出てこない変な漢字です。
その後、憧れの水尾氏に会い、一緒に仕事をする機会が与えられた。伝統ある東洋古美術雑誌『國華』の編集を手伝うことになったからである。そのころ氏は編集の実務をほとんど一人でこなしていた。それは著作から想像していた才人のまったく異なる一面だった。そして十何年か振りに、ふたたび國華...