2025年12月2日火曜日

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」2

 
 このような静嘉堂の社会的貢献――いまの言葉でいえばメセナとかフィランソロピーという視点も取り入れられています。単なる静嘉堂名品展ではありません。それは中心となってキューレーションを行なった学芸員・吉田恵理さんの功績です。

  「僕の一点」は宮川長春の「形見の駒図」ですね。カタログ表紙にもなっている菊池容斎の傑作「馮昭儀当逸熊図ふうしょうぎとういつゆうず」などを差し置いて、どうして宮川長春の「形見の駒図」なのかって? それは2年前僕が『國華』1528号に紹介した作品だからです。

  ヤジ「この前の三井記念美術館『円山応挙展』――山下応挙展のときも、自分が『國華』に紹介した「木賊兎図」を『僕の一点』に選んでいたじゃないか!! もっと多くの美術ファンが興味をもつ作品を選ぶべきだ!! 我田引水や自画自賛もいい加減にしろ!!」

2025年12月1日月曜日

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」1


静嘉堂文庫美術館「<2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念 修理後大公開!>静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」<12月21日まで>

 2022年秋、静嘉堂@丸の内がオープンの運びとなり、ディレクターをつとめていた饒舌館長もいろいろと関連口演をやったものでした。そのときもポストしたように思いますが……。その開館3周年を機に、「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」展が開かれています。

 これは先日成功裏に終了した日本国際博覧会(大阪・関西万博)を記念する企画展であり、また平成11年(1999)から国庫補助を受けて進めてきた修理事業の成果を披露するプロジェクトでもあるんです。

 静嘉堂文庫を創設した三菱2代社長・岩崎彌之助、それを発展させた三菱4代社長・岩崎小彌太は蒐集につとめるだけでなく、国内外の博覧会に多くのコレクションを積極的に出陳し、また博覧会に際して近代美術の創造をサポートすることもありました。