2025年8月18日月曜日

室町のネコ絵7

 

原派2代目・原在明の「猫に蝶図」(静嘉堂文庫美術館蔵)をこれまた『國華』に紹介し、それをこのブログにアップしたとき書いたように、猫も蝶も中国語の音通で長寿延命を意味するので、よくセットで描かれました。一方、牡丹に猫を添える取り合せも「正午牡丹」と呼ばれる重要な画題となってきました。

「正午牡丹」とは、「猫の目は正午に一文字、あたかも時辰計の正午を指す形となる特徴ありと伝う。而して正午は陽の気の最も旺さかんなる時なり。故に正午牡丹は牡丹の満開、即ち富貴全盛を寓意す」という画題です。正午に時計の短針と長針が重なって一本の縦線になるように、正午に猫の目も同じになるというのでしょう。野崎誠近の『吉祥図案解題』によるところですから、間違いありません。

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