款冬花(蕗の薹ふきのとう)――中唐・張籍「賈島に逢う」
遊楽原の青龍寺 たまたま見つけたフキノトウ
寺 出て漢詩を口ずさみ 歩めば沈む夕日かげ
都大路を一面に 白く染めたり名残り雪
馬蹄ばていパカパカここを去り どっかの飲み屋に繰り込もう
張籍は僕の大好きな「秋風」の作者、文章を練る意味の「推敲」は、賈島と韓愈の故事に出る言葉です。張籍は早春まだ冷たい土を破って芽を出すフキノトウに、賈島を例えているようなので、起句をもう少し意訳すれば、「賈島に出会った青龍寺 その人まるでフキノトウ」となるでしょう。「款冬」はフキ、「款冬花」がフキノトウだそうです。結句「誰家」は勝手に「どっかの飲み屋」としてみましたが……(笑)
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